鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

マズローの欲求5段階説は知っていても

今回も、前回に引き続き、「店長のための

『スタッフが辞めないお店』の作り方」

( https://amzn.to/2LO6SNZ )の著者であ

り、日本マクドナルド、とんかつ新宿さぼ

てんのOBで、経営コンサルタントの松下

雅憲さんからお伺いしたお話しについて、

述べたいと思います。


ところで、経営者の方で、マズローの欲求

5段階説を知らないという方はいないと思

います。


すなわち、人間の欲求は、生理的欲求→安

全欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現

の欲求と、階層化した欲求があるというも

のです。


一般的に、会社で働いている人は、生理的

欲求や安全欲求は満たされていると思いま

すので、社会的欲求以上の欲求を満たそう

としていると思います。


では、会社に尽くしてくれた従業員の方に

報いるために、社会的欲求や承認欲求を満

たしてあげようとするとき、どういうこと

をすればよいのかということを、説明でき

る経営者の方は、どれくらいいるでしょう

か?


松下さんによれば、店長がスタッフに報い

ようとするときに何をするかというと、時

給を上げること以外はあまり分からないと

いう方が、圧倒的に多いそうです。


実は、私もこれに心あたりがあります。


私がこれまで事業改善をお手伝いしてきた

会社では、就業規則さえない会社が少なく

ありません。


そのような会社の従業員の給料は、社長の

さじ加減だけで決まります。


確かに、従業員の方は給料をもらうことが

会社に勤務する最大の目的であり、その給

料が増えることはうれしいことに間違いは

ありません。


でも、従業員の方の士気を高めるのは、給

料の額だけではありません。


ここまでは、多くの方は理解しているので

すが、前述のように、多くの中小企業で

は、会社と従業員の関係は、給料を支払う

側と、給料を受け取る側の関係だけに留

まっているようです。


そこで、私は、事業改善をしている会社の

従業員の方の士気を高めることを目的に、

社会的欲求、承認欲求を満たす方法とし

て、キャリアパスを示してあげましょうと

いうことを提案しています。


例えば、3年間務めると、どのような能力

が身に付き、どのようなポジションに就い

て、どのような処遇を受けられるか、これ

と同様に、5年後、10年後、20年後に

ついても目安を示すことです。


こうすることで、従業員の方は、会社で働

くことで自分を成長させることができると

いうことがわかり、懸命に働こうという気

持ちが強くなります。


ところが、この、キャリアパスを示すこと

は、単に、経営者の方が頭で考えただけで

は示すことができないものであり、結構、

手間がかかります。


なぜなら、まず、経営理念や経営戦略を明

確にしてから、そのために、どのような人

材が必要かという人材戦略が策定され、そ

れに基づいてキャリアパスが明確にできる

ようになるからです。


とはいえ、ある意味では、経営戦略や人材

戦略を策定するくらいのことは、会社を経

営するからには当然に決めていなければな

らないこととも言えるので、面倒であるこ

とを理由に策定を避けることはできないも

のでもあるでしょう。


でも、この当たり前のことをするだけで、

前述のように、大きな改善が見込めると私

は考えています。


話を戻して、松下さんによれば、飲食店で

働く人は、自分を成長させたいという欲求

を持っているそうです。


このことも、誰でも理解できることです。


でも、繰り返しになりますが、多くの店長

たちは、その欲求を満たす方法を知らない

ために、離職者を増やしてしまっていると

いうことでした。


では、どうすれば、従業員の方の成長した

いという欲求を満たすことができるのかと

いうことは、松下さんのご著書を読んでい

ただきたいと思いすが、このように、人は

頭では理解はしているものの、実際の仕事

には活かしていなということがあるという

ことを、松下さんのお話をきいて感じまし

た。


「自社の事業を改善したくても打ち手がな

い」と悩んでおられる会社経営者の方は、

松下さんのご著書を読むだけでも、多くの

手がかりをつかむことができるのではない

でしょうか?

 

 

 

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