鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

コーペティション経営

米国の経営学者、ネイルバフとブランデン

バーガーの著書「コーペティション経営」

( https://amzn.to/2vUuOsQ )を読みまし

た。


書名になっている、コーペティション

( co-petition )とは、協力( co-opera-

tion )と競争( competition )を合わせた

造語です。


すなわち、従来は競争相手と考えていた

会社は、協力者にもなり得る側面がある

ので、そのような関係をコーペティショ

ンと呼んでいます。


そして、コーペティション経営とは、そ

の関係を活用する経営を指します。


(ちなみに、文字数の兼ね合いで、この

説明は必ずしも正確ではないことをご了

承ください。


より詳しくお知りになりたい方は、冒頭

で紹介した著書をお読みいただきたいと

思います。


また、その際は、あわせて、価値相関図

や補完的生産者などの用語も学んでいた

だきたいと思います)


同書では、協力者にもなる競合相手の二

面性について、アメリカン航空の例を挙

げています。


同社は、いまでは多くの航空会社が導入

しているマイレージプログラムで、競合

相手のユナイテッド航空から顧客を奪う

ことに成功しました。


しかし、ユナイテッド航空も同様のサー

ビスを開始した結果、ユナイテッド航空

は航空券の価格を下げることなく、自社

の顧客を維持することができるようにな

りました。


このことは、アメリカン航空の航空券の

価格も下げなくてすむことになり、した

がって、両社の価格競争を避けることに

なるという、協力関係ができたことにな

ります。


すなわち、このアメリカン航空とユナイ

テッド航空は、お互いに競合相手であり

ながら協力関係を構築することで価格競

争を回避し、両者が勝者になるという結

果をもたらしました。


とはいえ、この本が世に出たのは20年

以上前であり、すでにこのような事例は

多く目にしていると思います。


例えば、宇都宮市内にある20余の(ラ

イバル同士でもある)餃子店が協力し、

宇都宮市を餃子の街としてアピールし、

多くの餃子ファンを呼び込んでいる例は

その成功事例と言えるでしょう。


また、熊本県の黒川温泉観光旅館協同組

合では、複数の温泉に入ることができる

温泉手形を販売し、1社だけでは出せな

い魅力を複数の会社で提供するというこ

とを行っていることも、コーペティショ

ン経営の例と言えるでしょう。


私が今回コーペティション経営を取り上

げたのは、比較的規模の小さな会社は、

この競合相手でもあり、協力者にもなる

コーペティションの関係をうまく活用す

ることが有用であると思ったからです。


もし、同業の知り合いがたくさんいる経

営者の方には、このコーペティション経

営の活用をご検討いただきたいと思いま

す。

 

 

 

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