鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

銀行は不況業種

佐世保市に本社がある親和銀行を傘下に持

つ、ふくおかフィナンシャルグループ(F

FG)と、長崎市に本社がある十八銀行

経営統合することが、8月に公正取引委員

会に認められました。


経営統合十八銀行持株会社であるFF

Gの子会社になること)は、来年の4月の

予定で、再来年は、十八銀行親和銀行

合併する予定のようです。


ちなみに、合併後の銀行の長崎県内での融

資シェアは70%を超える見込みで、公正

取引委員会は、両行の約1,000億円の

融資を他の銀行に譲渡して、融資シェアを

65%に下げることを条件に、排除措置命

令を行わないことを表明したため、平成

28年2月の統合計画発表から2年半を経

て、ようやく統合が実現する見込みになり

ました。


とはいえ、融資シェアの大きな銀行の誕生

を懸念する見方もあるようで、両行の合併

貸し渋りが起きるのではないかという報

道もあります。


(ご参考→ https://goo.gl/M9cLq5


しかし、私は、貸し渋りは起きないと思っ

ています。


なぜなら、貸し渋りは収益機会を逃すこと

になるからです。


両行は、合併しなければ生き残れないとい

う見通しのもとに合併に至ったわけで、合

併しても、余程の悪い条件でなければ、融

資を断るということは、考えにくいと思い

ます。


さらに、別の雑誌の報道にもある通り、銀

行は、現在、リスクに合わない低金利での

融資をしている可能性もあります。


(ご参考→ https://goo.gl/hDUQw8


今回の記事の結論のひとつは、銀行自身が

収益確保に苦しんでいるのに、収益機会を

逃そうとすることは考えにくく、仮に、融

資を断られた場合、それは貸し渋りではな

く、融資のリスクが高いからと言えるとい

うことです。


ふたつめは、仮に、現在の中小企業の経営

環境が厳しいとしても、それは、金融支援

だけで解決できない時代に入っているとい

うことです。


会社にとって安定的な資金調達は大切です

が、資金を調達できただけでは利益は得ら

れません。


事業そのものが利益を得られるものでなけ

れば、金融支援は無意味です。


銀行は採算ぎりぎりの低利で融資を伸ばそ

うとしている状況にあって、中小企業の経

営環境が変わらない状況であれば、「銀行

の姿勢が変わらないから、中小企業が苦し

い」という考え方はあてはまらない時代に

なっていると、私は考えています。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20180930195651j:plain