鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

人はコストか?

多くの方がご存知の、大手生命保険会社が

実施している、サラリーマン川柳コンクー

ルは、今年で32回目になるそうですが、

私は、第12回のコンクールで1位となっ

た、「コストダウン さけぶあんたが コ

スト高」という句がずっと頭に残っていま

す。


(ご参考→ https://goo.gl/i2z918

 

この川柳が1位に選ばれた20年前といえ

ば、私は銀行に勤務していて、その銀行が

国有化される数年前でした。


当時、その銀行は、多額の不良債権を償却

しており、少しでも赤字額が増えないよに

と、支出を極力減らしたり、希望退職を募

るなどの方法で職員数も減らしたりしてい

ました。


そのような中、前述の1位となった川柳そ

のものではないですが、社内ではコストダ

ウンがかけ声となっていました。


ところで、この、従業員数を減らすことを

はじめとするコストダウンは、私が勤めて

いた銀行だけでなく、今でも多くの会社で

叫ばれています。


その一方で、私は、従業員数を減らす対策

は腑に落ちない点があります。


会社の経営資源は、ひと、もの、かねと言

われているのに、「ひと」を「コストのか

かるもの」として否定的にとらえることは

おかしいのではないでしょうか?


これについては、「スキルの低い従業員が

いる」、「年功で給与が高いが、それだけ

のパフォーマンスがない」という反論があ

ると思います。


確かに、そのような一面もあると思います

が、それを突き詰めていくと、会社の事業

が成功するには、給料があまり高くなくて

スキルの高い従業員が必要ということにな

ります。


私は、そのような人は、そもそも会社に勤

務したいとは思わないでしょうし、仮に、

勤務するとしても、従業員のスキルが高い

のであれば、経営者の出番はなくなるので

はないでしょうか?


私も、あえて極論を書いたのですが、従業

員を減らすというコストダウンは、根本的

な解決策ではないということです。


「ひと」は重要な経営資源であり、それを

不要と考えるような状況では、問題になる

なのは、従業員ではなく、人を活用できな

い経営者側にあるという観点から出発しな

ければ、その問題は解決しません。


逆に言えば、従業員の給料が低くなければ

まわらない事業は、そもそも成り立たない

ものであり、経営者は事業で産み出す付加

価値がもっと多くなるにはどうすればよい

かという考察が求められます。


(ただし、従業員が大切な経営資源である

からといって、合理化できる部分をあえて

合理化せずに、従業員数を増やすべきとい

うことではありませんので、念のため付言

いたします)


そして、このことも私が言及するまでもな

いことなのですが、一方で、今でも従業員

が多すぎることが会社の業績を下げている

と考えている経営者の方が多いと感じられ

たので、今回の記事にしました。

 

 

 

 

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