鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

債務超過に陥らないためには

私が受けるご相談の中に、現在、債務超過

であったり、融資返済のリスケジュールを

受けたりしているが、新たに銀行から融資

を受けるためにはどうすればよいかという

ものがあります。


このような会社に対して、いわゆる「融資

コンサルタント」が融資を得られる方法が

あるというような触れ込みをしていること

がありますが、その大部分は攻法ではない

方法を使うもののようです。


仮に、正攻法でない方法を使った場合、一

時的に手元にお金が入ったとしても、後に

なってさらに苦しい状況に至るだけですの

で、お薦めはできません。


また、債務超過の会社が、きちんとした手

続きで融資を受けることができることもあ

ります。


その例のひとつは、第二会社方式というも

のです。


(ご参考→ https://goo.gl/bjzjfH


ただし、このような方法を使える会社は、

「採算性のある事業」があるという条件の

上に、経営者責任を問われる(具体的には

経営者がすべての財産を失う)ことが前提

であることから、どの会社でも適用できる

訳ではないほか、仮に適用できそうであっ

ても、経営者が責任を負うことを避けよう

として、それに踏み切ることができないこ

ともあります。


本題に戻ると、このように書くと多くの方

から批判を受ける可能性が高いのですが、

債務超過に至った時点で、ほとんどの会社

は手遅れになっているということです。


経営者の方の中には、まだ挽回のチャンス

があると考え、そして、実際に挽回した方

もいますが、それは少数です。


もう少し具体的に述べると、債務超過の会

社の経営者の方が融資を受けたいという要

望を持っていても、そのほとんどの方は、

会社を黒字にするところまでの気力はない

ようです。


「融資を受けて、かつてのように、利益を

出せるようにしたい」と、口にはするもの

の、「それでは、その具体的な計画が必要

になりますね」と私が話をすると、ほとん

どの場合、そこまでで経営者の方の行動が

止まってしまうことが現実です。


今回の記事の結論は、いったん、会社が債

務超過になってしまうと、挽回の機会は皆

無ではありませんが、ほとんどは、再生が

困難ということです。


そして、その要因は、経営者の方の気力が

出せないためであるということを、実務を

通して私は感じています。


では、どうすればよいのかというと、会社

債務超過に至る前に結論を出すというこ

とです。

 

すなわち、自社が赤字になった時点で、そ

の状態が続けば債務超過になってしまうと

いう危機感を抱き、直ちに抜本的な対策を

とらなければ、さらに状況は悪化します。


債務超過になった会社の多くは、「赤字は

一時的なもの」と考え、対策を講じていな

い場合がほとんどです。


そして、現在の日本では、債務超過になっ

ただけでは、直ちに「倒産」はしないので

すが、それは、実態は、「倒産状態」であ

り、表向きに「倒産」していないだけと言

えます。


このようなことを述べることは、会社経営

者の方に対して厳しいことを迫ることにな

るのですが、決断できるかどうかという能

力そのものが、本来、経営者の要件になっ

ているはずです。

 

 

 

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