鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業の成果を報告するまでが経営

「なぜ、あなたは山(エベレスト)に登り

たいのか?」との問いに「そこに山(エベ

レスト)があるから」と答えたことで有名

な登山家の、ジョージ・マロリーは、生涯

に、3度、エベレストの登頂に挑んでいま

す。


1度目と2度目は成功せず、1924年に

3度目のエベレストの登頂に挑んだマロ

リーは、頂上付近で行方不明となり、その

75年後の1999年に、国際探索隊に

よって遺体が発見されました。


この、マロリーの3度目の登頂は、もしか

したら、登頂した後に死亡したのかもしれ

ないとも言われています。


しかし、マロリーの子息が、「僕にとって

登頂とは生きて帰って来ることです。


もし父さんが帰ってこなければ、決してや

りとげたとは言えないのです」と述べてい

るなど、登山にかかわる人たちの多くは、

無事に下山できて登頂が認められると考え

ており、現在は、1953年に登頂に成功

した、エドモンド・ヒラリーが初登頂を果

たしとされているようです。


ところで、ここで、なぜ、マロリーの逸話

を書いたのかというと、彼の子息の「生き

て帰って来るまでが登山」という考え方

が、会社経営にもあてはまると、考えたか

らです。


マロリーは、前述の通り、もしかしたらエ

ベレストの頂上に行っていたかもしれない

のですが、マロリー自身をはじめ、誰もそ

れを証明できないので、登頂を認められる

までには至っていません。


そして、会社経営についても、業績を報告

するところまでを行わなければ、経営者の

役割と果たしているとはいえないと、私は

考えています。


では、なぜ、会社に業績報告が必要かとい

うと、これも書くまでもありませんが、利

害関係者に協力を求めなければならないか

らです。


ただ、いわゆるオーナー企業では、株主が

経営者自身なので、利害関係者は、融資を

受けている銀行に、ほぼ、限られてしまい

ます。


そこで、結果として、業績の報告は銀行の

ためだけに行うこととなり、そのこと自体

億劫となってしまう経営者が多いのではな

いかと思います。


しかし、仮に、銀行への業績の報告をしな

くてもすむとしても、経営者自身も自社の

業績を把握(ここでは、事業年度末から2

か月後までに作成されてた決算書を見てい

るという程度ではなく、月次試算表を翌月

上旬までに作成し、事業の改善のために活

用しているという状況を指します))して

いる会社は圧倒的に少ないということは、

私がこれまで何度も述べてきた通りです。


そのような状態では、単なる「やりっぱな

し」の状態であり、そのような成行管理の

会社は業績もよくない場合が多いのではな

いでしょうか。


やはり、経営者がきちんと業績を把握し、

それを社内で業績改善のために活用した

り、社外に向けて評価を得るために活用す

ることまでをしなければ、経営者はその役

割を果たしているとはいえないということ

が、今回の記事の結論です。

 

 

 

 

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