鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

しくみをつくる人としくみを使う人

今回も、前回に引き続き、古屋悟司さんの

ご著書、「『数字』が読めると年収がアッ

プするって本当ですか?」から、私が注目

したところをご紹介したいと思います。


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古屋さんをモデルにした主人公は、大学を

卒業後、自動車販売会社に勤務します。


しかし、主人公は、その会社で、営業マン

として自動車を売った割には給料があまり

上がらないことに不満を感じていました。


すなわち、自分が販売した自動車の利益の

多くを社長が搾取しているのではないかと

感じていました。


そこで、主人公は、販売額の20%が自分

の給料になる教材販売会社に魅力を感じ、

その会社に転職します。


主人公はそこでもよい成績を上げ、給料も

あがり、主任に昇格します。


しかし、部下との関係がうまくいかなかっ

たことや、自宅が火事になり、家を建て直

すために借金をかかえたことなどから、自

分ですべてを決めることができる経営者に

なりたいと考え、花屋を開業することにし

ました。


そして、このようなストーリーを通して主

人公は次のようなことを学びました。


そのひとつめは、自動車販売会社では、広

告を出したりするなど、売上を得るための

活動は営業マンだけが行っている訳ではな

いので、いくら営業マンが自動車を販売し

たとしても、利益のすべてが営業マンに還

元されないということです。


ふたつめは、歩合制の教材販売会社であっ

ても、家賃や事務費などの固定的な費用が

必要なので、やはり、売上で得た利益の一

部はそれにあてなければならないこと、そ

して、営業マンに報いるだけでなく、会社

全体として利益が得られていることも管理

しなければならないということです。


そして3つめは、会社には、「しくみをつ

くる人」(=経営者)と、その「しくみを

使う人」(=営業マン、または、従業員)

がいるということです。


主人公は、サラリーマン時代は給料に不満

を持っていましたが、それは、会計を理解

していなかったということだけでなく、自

分はしくみを使う立場であったということ

を理解していなかったという面もあると思

います。


そして、主人公自身は、2つの会社勤務を

経て花屋を開業し、しくみをつくる立場で

あることを自覚し、事業を維持するために

商品の値上げをすることを決断しました。


この商品の値上げの決断が重要ということ

については前回述べましたが、このような

事業が行き詰らないよう管理を行い、意思

決定することが、経営者の重要な役割であ

り、かつ、経営者が最優先すべきことであ

るということを、改めて述べたいと思いま

す。


これも言葉としては理解する方も多いと思

いますが、事業のしくみに問題がないかと

いうことについてはあまり関心をもたず、

販売活動や製造活動だけに没頭し、事業を

成行にしてしまっている経営者の方も多い

と私は感じています。


すなわち、商品の値上げといった、事業を

維持するための重要な決断がなかなかでき

ない経営者は、経営者がしくみをつくり、

事業を管理する役割を担っているというこ

とを十分に理解していないのではないかと

思います。

 

 

 

 

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