鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

役員報酬の低い会社は評価されない

これは意見が異なる方もいますが、私が銀

行勤務時は、役員報酬も会社の利益と考え

て融資審査をしていました。


なぜなら、いわゆるオーナー会社では、会

社と経営者は実態としてはひとつであるこ

とと、役員報酬は経営者の一存で決めるこ

とができるからです。


すなわち、会社の利益を、会社に残す場合

内部留保であり、役員個人の貯蓄として

残す場合は役員報酬として役員に支払われ

るということです。


具体的な数字で示すと、役員報酬が5,0

00万円で会社の利益が1,000万円の

A社と、役員報酬が2,000万円で会社

の利益が2,000万円のB社では、会社

単体ではB社の方が利益が多く成績がよい

と言えます。


しかし、前述のように、会社を全面的に支

えている経営者の報酬まで利益ととらえて

考えれば、A社の方が業績がよいと考える

ことができます。


(ただし、役員報酬の金額の決定は、厳密

には株主総会の承認が必要であり、事業年

度の中途で変更することによって税務上の

問題も起きるなど、一定の制約があります

が、ここでは詳細な説明は割愛します。

https://goo.gl/Ybim3a


とはいえ、利益があまり多くないた状況で

は、役員報酬を減らして会社を黒字にした

いという考え方も理解できます。


その一方で、オーナー会社の経営者は、そ

れなりの責任を負って会社を経営している

以上、あまり低過ぎる役員報酬は不適切で

しょう。


具体的な金額は会社の事情によって異なり

ますが、一般的な役員報酬の相場と比較し

て自社の役員報酬が低い場合は、その相場

との差額は役員が会社へ寄付していること

と変わらないことになります。


また、もし相場通りの役員報酬であれば、

会社の利益額はどれくらいになるのかとい

うことも、融資審査においては考慮される

でしょう。


繰り返しになりますが、会社の決算を黒字

にするために、役員報酬を減らすという対

応も選択肢のひとつとは思いますが、それ

は根本的な解決方法ではないということで

す。


本来は、一般的な相場程度の役員報酬を支

払った上で、会社が黒字となることを目指

すことが基本ということが今回の記事の結

論です。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20181029141033j:plain