鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

嫌いな部下を登用する

先日、日本放送協会で放送している大河ド

ラマ「西郷どん」を見て、印象に残った

シーンがありました。


そのシーンとは、明治天皇が、明治5年の

西国巡幸のひとつの訪問先である鹿児島を

訪れ、島津久光明治天皇に拝謁した後の

ことです。


明治天皇とともに鹿児島を訪れた西郷隆盛

に、久光は、「いまの日本を、兄上(島津

斉彬)が見たらどう思うか」と、尋ねまし

た。


これに対して、西郷は、「いまだに国民の

暮らしは上向かず、また、政府の一部は腐

敗しており、幕末の戦いで命を落とした人

たちや、政治を任せてくれた徳川家に顔向

けできない」と答えました。


しかし、久光は、「大きな体をしているお

前が、なぜ小さくなっているのか?


本当に俺が大っ嫌いだった西郷隆盛か?


やれるだけのことをやって、それでもだめ

だったら、あとは若いものに任せて、鹿児

島にもどってくればよい」と、西郷を励ま

しました。


この2人のやり取りが本当に行われたかど

うかは分かりませんが、一方で、2人の関

係については、次のような事実があるよう

です。


そのひとつは、寺田屋騒動の起きる前に、

西郷が久光の命令を無視したことから、久

光は西郷を遠島処分としたものの、家臣た

ちの嘆願によって、その後、西郷を赦免す

ることにした際、久光は、苦渋のあまり、

くわえていたキセルの吸い口に歯形を残し

たと言われており、それくらい久光は西郷

を受け入れられなかったようです。


その一方で、久光は、赦免した西郷を直ち

に軍賦役(軍司令官)に任命して京都に派

遣していることから、嫌いな相手でも目的

のためには責任ある地位に登用するという

考えの持ち主だったのだと思います。


こういったことから、前述のドラマのセリ

フのようなやりとりが実際にあったとして

も、おかしくないのではないかと、私は思

いました。


話を短くまとめると、久光は、自分の感情

を抑えて、目的の達成を優先する人だった

ということです。


もちろん、現代のビジネスパーソンの中に

も、久光と同じようなことをしている人は

たくさんいます。


器量のある経営者というのは、そういう人

なのだということを、前述のドラマを見て

改めて感じました。

 

 

 

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