鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

自分が変わらなければ部下も変わらない

今回は、私がサラリーマン時代に経験した

ことについて書きます。


かつて、私が銀行の渉外係をしていたとき

に、ありていに言えば、あまり実務経験を

積んではいないものの、世渡りが上手で出

世した上司が赴任してきました。


もちろん、その上司も、業績をあげたいと

は望んでいたようで、私を含めた部下に対

して、いろいろな指示を出しました。


ひとつめは、毎週月曜日に、1週間分の訪

問日誌を提出させる指示を出しました。


もともと、会社の決まりで、毎日、その日

の分の訪問日誌を提出すことにはなってい

たのですが、月曜日に、金曜日までの分を

提出させ、1週間を、より計画的に活動さ

せようという意図があったようです。


それはそれでおかしな考え方ではないので

すが、部下に1週間分の予定を立てさせて

いる一方で、その上司は、思い付きで指示

を出し、部下の計画を変えてしまうことが

多く、1週間分の予定を立てさせる意義は

ほとんどありませんでした。


ふたつめは、毎日の訪問が終わったら、上

司にその日の実績を口頭で報告するように

指示がありました。


日々、上司に直接対面して報告を行わせる

ことで、渉外活動のモチベーションを高め

ようとする意図があったようです。


これについてもおかしな考え方ではないと

思うのですが、報告を受けても、その上司

は実務経験が少ないためか、部下に対して

助言をしたりすることはできず、単に、報

告を一方的にきくことしかできませんでし

た。


みっつめは、情報ノートを書くように指示

がありました。


情報ノートには、渉外活動の中で得られた

顧客の動向やビジネスチャンスなどを書い

て、訪問日誌と一緒に提出させ、そうする

ことで情報収集のための意識を向上させる

意図があったようです。


もちろん、このような手法も社内の情報の

共有化のために役立つと考えられますが、

部下たちは、ネガティブな情報や上司に判

断を求めるような内容を書くと、上司の機

嫌が悪くなることが分かっていたので、耳

障りとならない内容しか書くことができま

せんでした。


すなわち、その上司は、自分の機嫌のよく

なる情報だけしか求めていなかったという

ことです。


今回、このような悪い事例について書いた

理由は、管理者の方が事業を改善しようと

するとき、単に、手法だけを採り入れよう

としたり、部下だけを変えようとすること

があるということを、伝えたかったからで

す。


ただ、前述した上司のような失敗をしてし

まう経営者は、中小企業では少ないと思い

ます。


とはいえ、幹部職員の方の中には、なんで

も部下に押し付けようとしてしまう方が現

れてしまうかもしれません。


したがって、上司は部下のお手本にならな

ければならないということを、経営者の方

が社内で周知させていくことが大切になる

と、私は考えています。

 

 

 

 

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