鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

肩書だけが評価されることは無意味

イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんの

メールマガジンに、鍵山さんが28歳のと

き、それまで専務取締役を務めていた会社

を辞め、独立したときのことについて書か

れていました。


「『独立したら応援するから』と言ってく

れていた仕入先からも、独立したとたんに

そっぽを向かれました。


人の心というものは、まことに不思議なも

のだと思います。


約束通り売ってもらえない、そんな毎日が

続きました。


そのとき、もし私が『約束が違うじゃない

か』と声を張り上げたりしていたら現在の

私はなかったと思います。


仕入先の立場を察して、我慢したのがよ

かったと思っています。


その仕入先も、当社が順調に発展するにし

たがって、挨拶に来てくださるようになり

ました。


現在、昔のことには一切触れず、大切な取

引をさせていただいております」


人格者である鍵山さんは、独立されたこと

によって、予想していなかったつらい立場

に立たされた訳ですが、それでも、紳士的

なふるまいをして、会社の業績を上げてこ

られました。


一般的には、これとは逆に、会社に属して

いたときに、部下や取引先が肩書に頭を下

げていたにもかかわらず、自分が尊敬され

ていると偉い勘違いしていた人が、定年や

独立によって会社を去ったあと、だれから

も頭を下げてもらえなくなったという話を

ききます。


いずれにしても、人は、「会社の肩書」が

あることによって、よい意味でも悪い意味

でも、高く評価されます。


それは、個人で活動している人よりも、組

織に所属して活動している人の方が、大き

な力を持っていると評価されるからでしょ

う。


よく、起業する方が、個人事業主よりも、

会社で事業をしたい、会社を設立する場合

は、合同会社よりも株式会社にしたいとい

う希望を持つのは、そういった理由がある

からでしょう。


それは間違った考えではなく、これまで何

回かにかけて説明してきた、組織的な事業

の優れた面といえます。


その一方で、せっかく、会社、特に、株式

会社を設立したにもかかわらず、実態は個

人事業主と変わらないという会社をみるこ

とは珍しくありません。


会社を設立した当初は、そういった状態で

もやむを得ない時期もありますが、1年で

も早く、組織的な活動をしている真の株式

会社になることは、組織の力を十分に発揮

できるようになることでもあると、私は考

えています。

 

 

 

 

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