鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

確認・理解・適切

「その件については、これから確認いたし

ます」


「どうぞご理解をお願いします」


「この件についてはこれから適切に対処し

ていきます」


どれも丁寧な文章に思えますが、実は、私

は、これらの言葉を好きではありません。


「確認するって、何をどこで誰に確認し、

その結果は教えてもらえるのだろうか?」


「理解するって、賛同したり了承したりす

ること?じゃ、賛同させたいなら、どうし

て賛同できるようになるのか説明してほし

い」


「適切な対処って、それをだれが適切か判

断するの?」


私の性格にあまのじゃくな面もあるからか

もしれませんが、確認、理解、適切という

ことばをきくと、このように思ってしまい

ます。


確認、理解、適切という言葉そのものに問

題ないと思うのですが、最近は、その場し

のぎに意図的に使われることが多くなった

ということもその原因だと思います。


では、なぜ、それらの言葉がその場しのぎ

に使われるかというと、中身は曖昧である

にもかかわらず、それらしく聞こえるから

だと思います。


そこで、確認の場合、単に「確認します」

といわれるよりも、「これから、AとBが

一致しているか照らし合わせてみます」と

いう文章であれば、何のストレスもなくき

くことができます。


理解の場合、「どうかご理解ください」よ

りも、「あなたのご要望をすべて聞き入れ

ることができない点については心苦しく感

じておりますが、どうか私どもの事情をお

察しいただけると助かります」と言われる

と、先方の意図が明確に分かります。


適切の場合、「適切に対処します」より、

「この件については機微な事柄が多く、慎

重な対応が求められるため、逐次状況を公

表し、透明性を高めることによって、多く

の方の意見を集められるような体制を維持

していきます」と説明されれば、それを聞

いた側は安心できます。


ここまでは理屈っぽいことを書いたのです

が、結論は、相手をはぐらかすための言葉

はまったく意味がないということです。


だからといって、相手を論破しなければな

らないということではありませんが、説明

を求めている相手に対して、はぐらかしを

することは、コミュニケーションを絶つこ

とと同じです。


悪意のある相手であれば別ですが、そうで

ない限り、こちらの意図を伝えることを怠

れば、単に課題の先送りになってしまい、

それは特にビジネスパーソンにとっては避

けるべきことでしょう。

 

 

 

 

 

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