鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

猿猴捉月

先日、たまたま、「猿猴捉月(えんこうそ

くげつ」ということわざがあることを知り

ました。


これは、猿が井戸の水に映った月をとらえ

ようとする様子を指しており、これまでに

これをテーマにして多くの画家が絵を描い

ているようです。


文化庁のホームページを見ると、児玉希望

という画家が昭和8年に書いた猿猴捉月の

絵が紹介されており、その解説には、次の

ように書かれています。


「樹に集まる猿の群れ。体を寄せ合い、手

をつないで、水面に映った月を手でつかも

うとしています。


ゆらゆらゆれる水の上の月はただの光の反

射にすぎず、手でつかむことなどできませ

ん。


やがて樹の枝は折れて、猿たちは溺れてし

まうでしょう…この絵は、かなわない望み

をいだいて失敗してしまうことをさしてい

ます」


(ご参考→ https://goo.gl/9oeEaL


この解説にあるように、猿猴捉月は、かな

わない望みをいだくこといましめることわ

ざであり、身の程をわきまえずに能力以上

のことをして失敗してしまうことも指すよ

うです。


だからといって、今回は、読者の方に、身

の程にあわせた行動をして失敗しないよう

にしましょうということを伝えようとして

いるわけではありません。


そもそも、このことわざは、私自身にもあ

てはまります。


では、なぜ、このことわざについて書いた

のかというと、2つ気になったことがあっ

たからです。


ひとつは、猿たちは、なぜ空の月ではなく

て水に映った月をとろうとしたかというこ

とです。


といっても、猿猴捉月がフィクションなの

で、猿猴捉月を考えた人の意図を汲むしか

ないのですが、自分が価値あるものと思っ

ていることが、必ずしも本物であるとは限

らないので、慢心することなく常に本物を

探求することが大切だということを伝えた

いのだと思います。


もうひとつは、なぜ多くの猿が同じ愚行を

したのかということです。


これも、1匹の猿の愚かな行いを、まわり

の猿も疑わないことを戒めようとしている

のだと思います。


特に、大きな組織では、外から見ればおか

しいと思えることも、大勢で間違えたまま

ではそれに気づきにくいので、それに注意

しなければならないということでしょう。


今回は、自戒を込めて猿猴捉月について書

いてみました。

 

 

 

 

 

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