私は、これまで、経営者の仕事はPDCA
の実践である、そして、PDCAを実践す
れば事業は必ず改善するとお伝えしてきて
いるのですが、これは、PDCAはどんな
会社でも実践できると考えていたからとい
う面もありました。
PDCAは、Plan(計画)→DO(実
践)→Check(検証)→Action
(改善)の繰り返しなので、それほど難し
いことではないと思えます。
でも、事業改善のお手伝いをしてきた経験
を踏まえると、実際にはPDCAは口で言
うほど容易ではないようです。
その最大の要因は、PDCAはすぐには効
果が現れないことです。
典型的な例は、ヒーロー願望の強い経営者
で、そのような方は時間をかけることは苦
手な傾向にあることから、PDCAの効果
がなかなか現れないことにしびれを切らし
てしまいます。
そうでない経営者の方であっても、会社の
業績向上にあまり時間をかける余裕がない
という理由から、もっと短期間に効果が現
れそうな施策を優先しがちです。
ただ、短期間で効果が現れる施策は、得て
して効き目は長くありません。
したがって、会社の真の実力は、地道にP
DCAをどれくらい取り組んだかというこ
とになります。
これは、ある意味、根くらべなのかもしれ
ません。
ですから、PDCAは簡単なようで、実は
むずかしいのだと考えるようになってきた
というわけです。
ちなみに、短期間で急速に成長する会社も
存在します。
社長が月に行く予定になっている会社は、
1998年に設立された、業歴21年の会
社であり、「結果にコミットする」で有名
になった会社は、2003年に設立された
業歴16年の会社です。
詳細は割愛しますが、そういった会社は、
優れた能力を持った経営者が、厳しい課題
を乗り越えてきたことで急成長してきたの
であり、ほんの一握りの会社です。
自分の能力に自信がある方は、ぜひ、前述
のような会社に続くことを目指していただ
きたいと思いますが、日本のほとんどの会
社は、PDCAの実践を抜きにして成長は
できないということも事実と思います。
ちなみに、私自身は、「一握り」に入らな
い、多数派のうちのひとりであることを自
覚して、日々、地道な努力を重ねることに
しています。
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