鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

「よりも」ではなく「だけでなく」

ときどき、「事業においては、利益の管理

よりも、キャッシュフローの管理の方が大

切だ」という主張を耳にします。


これは間違いなく事実です。


事業は材料や商品を仕入れたり、従業員へ

給与を支払うことができなくなると、停止

してしまうからです。


特に、手形や小切手の決済ができなかった

り、融資の返済が滞ったりすると、会社の

信用を大きく損ないます。


そこで、キャッシュフロー(現金残高)の

管理が大切ということが言えます。


では、キャッシュフローが底を尽きないよ

うにすればどうすればよいかというと、会

社から出ていく現金よりも、会社に入って

くる現金が常に多くなればよいとい言える

でしょう。


では、会社から出ていく現金よりも、会社

に入ってくる現金を多くするにはどうすれ

ばよいかというと、基本的には仕入額と経

費の額を売上が上回っている、すなわち、

利益が出ていればよいということになりま

す。


でも、利益を増やすことが、直ちに会社に

入る現金の量を増やすことになるとは限ら

ないことがあり、このことがキャッシュフ

ロー管理の必要とされる理由です。


しかし、天邪鬼な私は、ここで、「利益を

増やさなくても、会社に入る現金の量を増

やすことができるのか」ということを考え

てしまいます。


これは、まったくできないわけではありま

せんが、仮にできたとしても一時的なもの

でしかなく、基本的には、利益を得なけれ

ば会社に入る現金の量を増やすこともでき

ません。


ここで今回の記事の結論になるのですが、

なぜ、このようなことを書いたのかという

と、キャッシュフロー管理は、利益管理を

行った上で行わなければならないというこ

とを述べたかったからです。


もちろん、利益管理だけしていればよいと

いうことではありませんが、同様にキャッ

シュフロー管理だけをしていればよいとい

うことではありません。


このように書くと、細かいことを言ってい

ると思われるかもしれませんが、「利益管

理『よりも』、キャッシュフロー管理が大

切」という言い方は不正確で、「利益管理

『だけでなく』、キャッシュフロー管理も

大切」という言い方が正確な説明です。


繰り返しになりますが、そして、当然のこ

とでもありますが、キャッシュフロー管理

だけをしていればよいのではなく、会社に

とっては利益管理も大切という点にご注意

いただきたいと思います。

 

 

 

 

 

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