鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

マーケティングから商品を決める

先日、情報番組のがっちりマンデーで、主

に駅構内でミニクレープを販売している、

コロットが紹介されていました。


(ご参考→ https://goo.gl/fpShLN


「有楽町店では、多い日は1,000個の

クレープが売れる」、「2.6坪で月商は

400万円、すなわち1坪あたりの月商は

150万円」という、このクレープ店の特

徴は、放送局のWebPageに記載され

ている通りなので、ここでは、コンサルタ

ントらしく、マーケティングの4Pの観点

から同社の事業を分析したいと思います。


マーケティングの4Pは、すでに多くの方

がご存知と思いますが、改めて説明する

と、米国の経営学者、マッカーシーの提唱

した考え方です。


具体的には、製品(Product)に関

する活動、価格(Price)に関する活

動、流通(Place)に関する活動、販

売促進(Promotion)に関する活

動の、4つの活動ごとに最適の活動を選択

し、それを組み合わせてマーケティング

動を行うことが大切という考え方です。


まず、「製品」は、クレープでありながら

饅頭ほどの大きさにして、持ち運びしやす

くしているという特徴があります。


「価格」は、駅構内にもともとあった売店

を居抜きで使っており、出店費用を抑えて

て、単価を200円程度に抑えています。


「流通」は、サラリーマンを標的にし、駅

構内で販売しています。


「販売促進」は、大きなディスプレイを使

い、遠くからもクレープを売っている店で

あることがすぐに分かるようにするという

工夫をしています。


と、ここまでマーケティングの4Pを説明

して来ましたが、この記事の主旨は、マー

ケティングの4Pの重要さをお伝えしよう

ということではありません。


私がこれまで事業改善のお手伝いをしてき

て感じることは、多くの会社では、何を売

るかが決まっていて、後からマーケティン

グを考えています。


一方、これは想像ですが、コロットのミニ

クレープは、「鉄道の利用者に対して、駅

の中で売れる最適な商品を売る」という、

マーケティング手法が先に決まっていて、

後から売るものを決めたのだと思います。


その根拠のひとつは、ミニクレープは工場

で製造し、店舗では冷蔵ケースに入れて保

管しているものを売っていることです。


もし、「クレープを売る」というところか

ら出発すれば、「駅構内で売る」、「饅頭

ほどの大きさにする」、「工場で作る」と

いうことはしなかったのではないでしょう

か?


現在は、商品の良し悪しよりも、事業の巧

緻で業績が決まる時代であると私は考えて

いますが、コロットのミニクレープは、前

述のように、マーケティングから出発して

商品を決めたことが、繁盛の要因になって

いるのではないかと、私は考えています。

 

 

 

 

 

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