鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

銀行がコンサルティング機能を発揮しても

先日、共同通信社経済部記者の橋本卓典さ

んが、東洋経済オンラインに、銀行の動向

に関する記事を寄稿しておられました。


(ご参考→ https://bit.ly/2WqgPFu


要旨としては、銀行が業績を向上させるた

めには、単に、統合して規模を拡大するだ

けでは目的を達成できないので、顧客の課

題を解決できる能力を備えた人材を育成

し、顧客の生産性向上、情報技術インフラ

の導入、人材育成などに貢献していく役割

が求められるというものです。


この、ソリューション(課題解決型)営業

は、銀行に限らず、多くの会社で実践され

ている手法であり、橋本さんの提言の方向

性に誤りがあるとは思いません。


ただし、このソリューション営業では、銀

行の抱える課題の一部しか解決できないと

私は考えています。


銀行、特に地方銀行の事業の難しいところ

は、地域経済の振興を図る役割があり、し

たがって、その銀行の事業展開する地域で

は、融資の相手を選ぶ余地が限定的である

というところにあります。


その融資相手には、銀行のコンサルティン

グをよろこんで受け入れる会社もあると思

いますが、私の経験から感じるのは、銀行

コンサルティングは受け入れたくないと

いう会社の方が多いと感じています。


そして、このようなことは実際には起きな

いと思いますが、「貴社は弊行のコンサル

ティングを受け入れないので、取引は致し

ません」ということは、現実的には言えな

いでしょう。


もちろん、コンサルティングは受けたい

が、銀行から提案されたものは実践したく

ないという場合もあると思いますが、多く

の会社は、ただでさえ現在の仕事がたいへ

んなのに、「コンサルティング」と称し

て、銀行から、これ以上やることを増やさ

れるのはごめんだという拒否反応を示すこ

とが多いと思います。


文字数の兼ね合いで詳細な説明は割愛しま

すが、「べき論」では橋本さんのいう通り

だと思いますが、銀行の現場からは、銀行

だけがソリューション営業を実践すると旗

を振っても、それを歓迎する銀行の取引先

は、実態としては少数なので、仮に、銀行

がソリューション営業を実践したとして

も、銀行の課題は部分的にしか解決しない

のが現実だと私は考えています。


だからといって、私は、橋本さんの提言は

意味がないとは思いません。


銀行も、橋本さんの提言に沿った努力を続

けるべきであり、さらに、融資相手の会社

に対しても働きかけて、それに賛同する会

社を増やしていくべきだと思います。


私は、地方の会社であっても、自助努力で

業績を回復できるチャンスは十分にあると

考えています。


したがって、銀行自体も業績改善の努力が

求められている時代にあっては、自らも業

績を改善しようという意欲を銀行に感じて

もらえない会社は、早晩、銀行からの支援

も得られなくなっていくと思います。

 

 

 

 

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